とりかえ・ばや』は、さいとうちほ先生による漫画で『月刊フラワーズ』にて連載されていました。現在は完結済みです(単行本全13巻)。

平安時代末期に成立した『とりかへばや物語』を基にした作品で、非常に人気がありました。

そんな『とりかえ・ばや』の登場人物である帝の従兄弟・石蕗はクズだと言われていますが本当でしょうか?

今回は『とりかえ・ばや』の石蕗についてです。

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とりかえ・ばや 1巻

『とりかえ・ばや』とは?

権大納言のふたりの妻から、同じ日にうまれた男女のお話です。

男の子はママゴトや「ひいな遊び」が好きなインドア派に、いっぽうの女の子は外でどろだらけになって遊ぶのが好きなおてんばに成長します。

やがてふたりは成人し、男の子は女として、女の子は男として世の中に出ていくのです。

ふたりの数奇な人生を描いた物語です。

『とりかえ・ばや』の石蕗はクズ!?

『とりかえ・ばや』の石蕗は、見まごうことなきクズだと思います。

本能のおもむくまま、手当たり次第にあつあつの和歌を送りまくり、関係を持ちまくるというサイテー野郎ぶりが、この漫画を読んでいて非常にいらいらするところです。

そういうクズな男がなぜかモテる、というのがまた腹がたつポイントですよね。

とくに序盤では、石蕗は目のさめるようなクズっぷりを発揮しています。

沙羅双樹のほんとうの性別が発覚し、沙羅双樹が泣いているのを尻目に手籠めにする石蕗は、鬼畜すぎやしないかと思いました。

それに、沙羅双樹の妻である四の姫にまで手を出すあたり、読者諸君はここではらわたが煮えくり返る思いだったのではないかと考えます。

沙羅双樹をあんなにも苦しめて、石蕗は調子にのりすぎていると思います。女性に対する扱いがひどすぎます。

そんなクズな石蕗ですが、『とりかえ・ばや』のストーリーにおいては、欠かすことのできない、おもしろいキャラクターになっています。

『とりかえ・ばや』の石蕗は最後どうなるかネタバレ!

石蕗の最後は、間抜けな感じだな、というのが正直な感想ですね。

私は、石蕗が出てくるたびにいらついていたので、出てこなくなってほっとしました。

しかし、石蕗と、あと、あの例のあやしいお坊さんには最後、もっとさんざんな目にあってほしかった、という気がしないでもないです。

四の姫をケガしておきながら、沙羅双樹との友情はそのまま続けたいなどと、よく言えたものだとつくづく思います。

あれだけ自己中心的にふるまってきたのですから、もっとこっぴどい目にあってしかるべきだと思うのですが。

今まで好き放題やっていたキャラクターに天罰が下るような、すっきりした展開が好きなので、そこがちょっと残念ですかね。

でも、そういうふうにすると、せっかくの『とりかえ・ばや』のうつくしいエンディングにケチがつくという感じもします。

いろいろすっきりしない部分もありますが、石蕗の最後はあんな感じでおわるのがちょうどいいのかもしれません。

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まとめ

『とりかえ・ばや』の石蕗がクズなのはほぼ異論のないところでしょう。

『とりかえ・ばや』における石蕗の役割は沙羅双樹の深層心理というか、言語化できないような繊細な心の動きを読者にわからせることにあるように感じられるのです。

そういう意味で石蕗はなくてはならない、有意義な登場人物になっているのかな、というふうに考えます。

『とりかえ・ばや』は下敷きとなった『とりかへばや物語』を上手く現代風にアレンジしており、非常に面白い作品です。

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